日本には文化遺産や自然遺産など16もの世界遺産がありますが、そのひとつに琉球王国のグスクと遺跡群があります。

グスクとはお城のことです。
去年から沖縄に行く機会が増え、必ず尋ねる場所や行きつけのお店も増えてきました。
さて5月の連休には世界遺産として登録されている9か所のグスクのうち、城跡3か所を尋ねてきました。
首里城跡は沖縄最大のグスクとして有名ですが、今回は今帰仁(なきじん)城跡と中城(なかぐすく)城跡、それに勝連(かつれん)城跡に行ってきました。
皇居は最良と地勢と言われ、江戸城本丸御殿跡の位置などを測ると風水を用いていたことが良くわかります。

江戸城を築城した太田道灌は中国伝統風水を知っていたに違いありません。

 

沖縄でも風水を信じている人が少なくありませんが、中国伝統風水とはちょっと違うような気がします。
3か所のグスクで正門や裏門、正殿があったとされる位置など測定してきましたが、それぞれ異なっており、一定のルールが見つけられませんでした。
共通していたのは高度な石積技術があり、曲線状に築かれている城壁の石垣には目を見張る技術がみられること。

この石積を見て思い出したのは、ペルー(クスコ)にある「剃刀の刃一枚も通さない」サクサイワマン遺跡の城塞。
サクサイワマンの巨石はほぼ四角ですが、中城城跡では亀甲乱れ積み(あいかた積み)という形の異なる自然の石をバランスよく組み合わせた石積方法で積まれ、世界遺産に選ばれた素晴らしい城壁を見ることができます。
これらのグスクの方位は別として、地理的な立地条件は同じです。

城は必ず丘陵に位置し、自然の要塞である崖や傾斜を上手く利用していること。

琉球は昔から海外貿易が盛んだったせいか、海と大きな道路が近くにあることなど、地理風水としては理に敵っていると思います。
残念ながら現在は城跡だけで建物はありませんが、日本本土とは異なる琉球文化がグスクで見ることができます。
沖縄を訪れる機会があれば、是非グスクめぐりをしてみては如何でしょうか?