賢者になるための道、中国五術

中国では賢者になるための道として命卜相医山(めい・ぼく・そう・い・さん)があります。

全てを学んだ者は修行のため山に入り、隠遁生活を送ったそうです。

 

「医」とは漢方、針灸などの中国医学のことを言い、賢者の道を極めるには、本来医学から学んでいました。

今日では風水から学ばれる方が多いですが、昔は医学から学び始めました。

人相は中国医学の体系の一つです。経験豊かな腕の良い人相観は、顔を観ただけで内臓器官の問題を言い当てることができます。

 

「ト」は易経から生まれたものです。易経の卦を駆使することができるなら、人生の道筋をつけることができます。

易経は将来起こりうる事象について判断することができます。

例えば、「新しい事業に投資するべきか、否か?」という問いに対して、コインや筮竹などの占具を用いて易を立てると、答えについての卦が出ます。

無作為に出るのではないかと思われるかもしれませんが、易経を深く学び、経験を積むと、卦が必然的に出た答えであることがわかります。

実際、同じ問いについて何度も易を立ててしまうと、第四卦が繰り返し出ることがあります。

これは蒙(山水蒙)の卦で、無知・無教養さを指摘し、もっと学びが必要であるということを暗示しています。

 

「命」には、四柱推命(八字)や紫微斗数、鉄板神数などがあります。

占星術を修得するのは、容易ではないのですが、一歩一歩段階を追って学ぶことでマスターすることができます。

占星術は将来起こる事象の正確な時間を予測することができます。

しかし、人相でも驚くほど正確に将来の出来事を予知し、運命を読み解くことができます。

占星術を用いて不明瞭な事柄でも、顔に運命のサインとして表れることがあります。

人相は、統計に基づく分析的を用いる手法の一つです。

 

「相」は、人相、手相、環境などの観るもので、人や家で何が起こるのかを読み解きます。

人相は比較的学びやすいものですが、極めようとするならば、大変難しいものです。

高いレベルで深い人相を教えることができる老師は数えるほどしかいなく、彼らは豊かな実践経験を基に人相を教えています。

手相も人生の縮図と言えるほど、多くの情報が秘められています。

幸運、不運の到来が人生のどの時期にあるか、手のひらにはしっかりと刻まれている魅力的な学問です。

人相と手相に同時、同じサインがあるなら、確実にそれは起こるでしょう。

環境を観るのは風水で、建物と環境を観るものです。

家を鑑定し、レメディ(改善法)を施すことで、あなたを取り巻く環境を改善し、現状をより好ましく整えることができます。

 

「山」に入るとは、隠遁することを意味しています。

五術を極めると、もっと深い叡智を得ることができます。

叡智を手に入れたなら、隠遁生活をする準備ができたといっても過言ではないでしょう。

山での修行の時期が来たということです。

瞑想やさらに深いスピリチュアルな学びを追求する時期なのです。

古代中国では、瞑想や気功、「不老長寿」の修行のために賢者は山に入っていました。

 

生涯を通じて学ぶべき学問が中国五術(命・卜・相・医・山)です。

各学問は一歩ずつ、確実にマスターすることが必須で、賢者になる道には長い年月が必要でした。