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風水は中国で発祥し、その歴史は3000年とも4000年とも言われています。その長い歴史を通じ、多くの学者や風水師達が自然の法則を観察・研究して得た知識や経験などの積み重ねの結晶です。一言で言えば、古代中国の自然環境についての知恵と言えるでしょう。
風水は非常に理論的、論理的かつ規則的で、実践を通じて学ぶことができます。鑑定方法は、個人の生年、建物や周りの環境、太陽系システムの動きを基盤にした時間という概念をベースにして家や建物の好ましい方位や好ましくない方位を算出し、改善する開運術といえます。
中国には中国五術という東洋占術を体系化した思想があります。
「命・ト・相・医・山」の総称であり、風水はその中の相にあたります。
「命」 先天的な宿命を占う…………例:四柱推命、紫微斗数など
「ト」 物事の予測と状態を占う……例:易経、奇門遁甲など
「相」 形や姿などの形状を占う……例:人相、手相、風水など
「医」 東洋医学のこと………………例:漢方、針灸など
「山」 心身の修練のこと……………例:瞑想、気功、修行など

■「氣」について:
氣とは何でしょうか?中国の晋の時代に書かれた葬経(郭璞著)という書物に、「乗風則散 界水則止」という有名な一節があります。これは「氣は風に乗ずれば散じ、水に界てられれば即ち止まる」という意味で、「風は氣を散し、水は氣を集める」ことです。「氣」は生命のエネルギーまた栄養物と言い表すことができ、風水では環境の「氣」を巧みに扱います。例えば「氣」の流れの悪い家は、居心地悪く、植物か枯れ、動物や住人は病気がちかもしれません。それとは逆に春の匂いが感じられるような新鮮な「氣」の流れを感じる家では、家族円満で健康で繁栄が見られます。訪ねてくる人も多いでしょう。人間の体の「氣」のバランスが崩れると病気になるように、建物にも「氣」が存在します。この氣はバランスが取れていることが大切です。風水は調和を基本としているように、「氣」も調和していることが重要なポイントになります。この「氣」の流れとバランスの概念が次に説明する「陰陽」理論を生み出しました。
■「陰陽」について:
風水の基礎は一言で表せば「陰陽・五行」がベースです。陰陽は[(1)中国の易学で言う、宇宙の万物を作り、支配する二つの相反する性質をもつ氣。積極的なものを陽、消極的なものを陰とする。日・男・奇数などは陽、月・女・偶数などは陰。(2)時期・電気などの陰極と陽極](岩波国語辞典より)と説明されています。コインの裏と表が良い例かもしれません。表なくして裏は存在しないし裏なくして表は存在しません。つまり陰陽は、相互依存であり他方なしでは存在することはありえないと言うことです。
「陰」は受動的、静粛であり滝(水)が下に流れて行く様を表わしており、逆に「陽」は能動的、活動的であり熱が上昇するのを表現しています。しかし陰陽の中には、それぞれ異なる小さな陰陽が存在します。つまりバランスです。その陰陽の正しいイメージは上図になります。熱が上昇し、冷え下がることが基礎ベースとなります。この陰陽は非常に大事な理論で、風水を深く勉強すればするほどこの基礎理論に戻ることがどれほど重要であるか実感として理解できます。
■「五行」について:
五行は[(1)古代中国の説で、五つの元素。人間の生活に必要な五つの材料。また宇宙・人生のすべてを説明する原理。木・火・土・金・水の総称](岩波国語辞典より)と解説しています。これは氣の自然法則の表示といっていいでしょう。五行を含め五感、五情、五障などは宇宙の自然に生じるパターンなのです。この五行である木・火・土・金・水それぞれの要素は環境における「氣」の影響を強めたり弱めたりします。五行は系統立てられており、それぞれ相互作用し合い影響を与えています。その基本となる三つのサイクルをご説明しましょう。
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相生サイクル(生じる関係)木・火・土・金・水
木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生じる |
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相剋サイクル(剋する関係)木・土・水・火・金
木は土を剋し、土は水を剋し、水は火を剋し、火は金を剋す |
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相洩サイクル(弱める関係)木・水・金・土・火
木は水を弱め、水は金を弱め、金は土を弱め、土は火を弱める |
それぞれのサイクルは、どのようにして五行を使用すると調和が得られるのかを理解する鍵になります。氣が調和されていれば人間関係、健康、または財政が潤います。相剋関係であれば問題が起こりやすくなります。その為にレメディと言う改善法が必要になります。そのレメディとは観葉植物、ランプ、陶磁器、鉄真鍮、水槽などです。これらのレメディは闇雲に使用してはいけません。もし間違って使用すると、人間関係や健康そして金運にも害をもたらします。正しく利用してこそ良くなるのです。
■「八卦」について:
地図を書いたり読んだりする時、北が上になっていることをご存知だと思いますが、風水では南が上になります。太陽は私たちの頭の上から照らしています。ですから北は下になります。
風水鑑定時は、コンパス(羅盤)を使用します。磁気による方位判断です。図面を頼りに鑑定を行いません。図面で示す真北と羅盤が示す磁北とでは数度のずれがあるからです。
※詳しくはコンサルティング手順をお読みください >>
自然界の現象を八つの象に分類したのを八卦といいます。三つの爻(コウ:陰爻と陽爻)から成り立っており巽、離、坤、兌、乾、坎、艮、震があります。因みに易経はこの八卦を組み合わせた六十四卦で占います。
各卦には、それぞれ五行、色、身体部分、人物などを表す属性を持っています。また方位を数字で表すことができます。それが左の図になります。縦横斜め、それぞれ足すと15になります。これが先天八卦と言い宇宙のバランスを表しています。
私たちが住む世界は後天八卦になり、このバランスが崩れています。ですから風水によってそのバランスを調和する役目が必要なのです。

中国の風水の歴史は古く、定住農耕文明が始まった4000年以上前まで遡ることができます。古代中国(漢の時代)ではまだ「風水」と言う言葉は使われていず、堪興(かんゆ)と呼ばれていました。大要は「頭を上げ天を観察し、頭を垂れて地を観察する」ということです。勘は天道(天文学)に通じ、興は地道(地理学)に通じています。
その堪興が風水と呼ばれるようになったのは、晋の時代(265年〜419年)からです。郭璞という学者が著した葬書の中で記述されている「氣 乗風則散 界水則止」から来ています。この意味は「氣は風に乗ずれば散じ、水に界てられれば即ち止まる(風は氣を散して水は氣を集める)」ということです。これが西洋では中国地相土占学(Chinese Geomancy)と呼ばれる風水学の形成になりました。
風水の基盤作りには、多くの天文学者や気象学者それに風水師たちが貢献しましたが、中でも唐・宋王朝時代に活躍した楊均松(YANG Yun-Song)、曾文汕(ZENG Wen-Sha)、寥金精(LIAO Yu)、頼俊文(LAI Ren-Wen)の四人が有名です。特に救貧と呼ばれた楊均松は、秘儀とされていた風水を平民にも広めたことでもよく知られています。楊老師から弟子である曾老師へ、曾老師から娘婿である寥金精、そしてその娘婿である頼俊文へと奥義が代々伝承されていきました。これ以降は一子相伝となり息子だけに継承されています。これらの知識は詩的に写実されてきた為、詩は読めても意味を理解できず現在に至っています。これが現在の風水に矛盾がみられる理由の一つです。
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