古代中国では北極星を中心として中国五術が発展してきました。
北極星は「北」の空の高い位置にあり、地球からは動かない星として見えるため、
皇帝として捉えられました。
そして、この星の周りを運行している星々を皇帝に仕える者として考えられたのが
究極の占い「紫微斗数」なのです。
皇帝を紫微星、その星の周りの領域を紫宮、そこには多くの仮想星があり、
これらの星の関連性を分析して人生を占います。
風水では、最も好ましいと言われる地勢を四神相応(しじんそうおう)といい
「北」には山や丘など高い地形があります。
また、中国の伝統的な家である四合院(しごういん)でも「北」は東や西、南よりも
高くなっており、一家の主である主人が住む方位になります。
でも、これらはすべて北半球の考えだと気付いたのは、先日訪れたボリビアでした。
ボリビアは南半球の為、北極星は見えません。
天の北極には北極星がありますが、南極には南極星と言われる星がありません。
この南極星の代りに使われたのが南十字星で、北極星と逆の方位に位置しています。
ボリビアの首都ラパスから車で1時間ほど走った荒野にティワナク遺跡があります。
プレインカというインカ期よりも古く、その紀元は紀元前といわれている
古い小規模の遺跡です。
この遺跡の入り口は南東です。通常、寺院の入り口は北西なのですが、これは北半球での話。
南半球では対極にあったこと、これは私にとって新しい発見でした。
トルコの遺跡では、中国の風水と同じ理論が用いられており、
世界はどこも同じかと思っていたのです。
北半球と南半球、これは大きな違いでした。